キャッチコピーの作り方  例文付きでわかりやすく解説 

思うようにキャッチコピーが書けない、と手が止まってしまうケースがよくあります。たぶん、いきなり本格的なキャッチコピーを書こうとするから、何も書けないということです。
キャッチコピーを書くのに、高度なスキルは必要ありません。ただ、それなりの手順を踏まないと書くのが大変になります。そこでこの記事では、書くための手順をご紹介します。簡単に書ける方法も解説しているので、ぜひご一読されてはいかがでしょうか。

目次

キャッチコピーの作り方 手順

キャッチコピーを書きなれない方は、ある程度の手順を踏みながら書き進めるのがオススメです。まずは基本的な「キャッチコピーの作り方」について手順を解説します。手順としては以下通りです。

(1) どんなサービスなのか。
(2) どんな特徴があるのか。
(3) どんなメリットが手にできるか。

第一ステップとして、まず「どんなサービスを提供しているか」について書いてみてください。たとえば、あなたが整体院のオーナーだとします。その整体院で、どんなサービスを提供しているかシンプルに書きましょう。ここでは凝ったことを書かないで、普通の文章で大丈夫です。

例)
当院の施術は、腰痛改善にこだわった整体です。

つぎに書くのが特徴です。できれば、他の整体院との違いがあればベストでしょう。たとえば、こんな感じ。

例)
腰痛改善にこだわり続けて20年。●●整体院です。

ここまで書けたら十分ですが、さらに一歩進めて、「どんなメリットが手にできるか」を書いてみましょう。この段階では、(1)(2)で書いたことは、意識しなくていいです。

例)
しつこい腰痛も、15分でラクにします。●●整体院

ほんとうは、最初から(3)が書ければ問題ないのですが、そうそううまくは行きません。だから、(1)(2)で自社の特徴を自分なりに認識する。そのうえで文章(キャッチコピー)としてカタチにすると、つぎに進むことができます。

ちょっと堅い話をすればお客さんは、あなたでできることを求めているのではなく、「(お客さま自身)がどのように改善したのか」を求めています。だから「(あなたが)何ができる」ではなく、「どんなメリットが得られるか」を書くのが理想です。

では、もう一度整理してみましょう。全体の手順としては、こんな感じです。

(1) どんなサービスなのか。
(2) どんな特徴があるのか。
(3) どんなメリットが手にできるか。

このうち(1)(2)は、ウォーミングアップのような気分で書くのが良いと思います。そして、最後に(3)に取り組んでみるのです。場合によっては、(1)(2)で魅力的なフレーズが書けることもあります。まずは肩のチカラを抜いてトライするのがいいと思います。

キャッチコピーの作り方 型にはめて書く

カンのいい方は、上記の手順で何となく書けてしまいます。しかし、どうしてもうまくキャッチコピーを書けない方もいらっしゃいます。そこで次にご紹介するのが、型にはめて書いていく「ブロック法」です。言いかえるとフォーマットにそって書くので、比較的取り組みやすい書き方です。

具体的なフォーマットとしては、以下の2パターンがあります。

パターン1 
[気を引く言葉] + [商品(サービス)]

パターン2 
[気を引く言葉] + [特徴(メリット)] + [商品(サービス)]

キャッチコピーは、気を引くことが目的です。そこでキャッチコピーの冒頭に、気を引く言葉を使います。また、人の目線は「左から右へ動く習性」※があるため、一番目につきやすい位置に気を引く言葉をもってきます。

プチ情報「左から右へ動く習性」について
新聞に折り込まれるチラシを見てください。だいたい左から右へと、言葉や写真がレイアウトされています。ちなみに、これをグーテンベルク・ダイヤグラムと言い、均一に配置された同質の情報を見るときの視線の流れのパターンです。

さて、つぎにどんな[気を引く言葉]を書いたらいいのでしょうか? これもさまざまなパターンがある中で、12例ほどをご紹介しましょう。

その1 ダーゲットに訴えかける
腰痛に悩む方に朗報! 15分で解消する山田整体。

その2 悩みに答える
たった15分で腰痛を解消! 山田整体。

その3 価値やお得感で訴える
今なら5%オフ! 山田整体。

その4 限定・希少価値で訴える。
1日5名限定。ワンコインの山田整体。

その5 売れていることを訴える。
毎日〇〇個売れている、レアチーズケーキ。

その6 五感で訴える。
ふんわり~口どけ滑らか! レアチーズケーキ。

その7 権威で訴える。
三ツ星レストラン〇〇が監修! レアチーズケーキ。
〇〇賞受賞! レアチーズケーキ。

その8 手軽さで訴える。
お腹に巻くだけ! スリムになれるダイエット腹巻。

その9 特別感で訴える。
高級卵黄使用! レアチーズケーキ。

その10 一番をアピールする。
当店売れ筋ナンバーワン! レアチーズケーキ。

その11 影響力で訴える。
マスコミで紹介されたレアチーズケーキ。

その12 お客様の支持で訴える。
92%のお客さまが満足! 山田整体。

こうしたキャッチコピーの型を見本とすれば、なんとなく「どう書いたらいいのか」検討がつくのではないでしょうか。キャッチコピーを書くのが苦手なら、まずはお手本をもとに書くことからはじめることをおすすめします。

キャッチコピーの作り方 既存の言葉を引用する

型にはめて書く以外でも、既存の言葉を引用しながら書く方法があります。具体的には、誰もが知っている言葉を引用してキャッチコピーを書くことです。

誰もが知っている言葉としては、ことわざ・格言・慣用句などがあげられます。場合によっては流行している言葉でもOKです。たとえば、美肌エステのキャッチコピーなら、以下の通りです。

転ばぬ先の杖 → 転ばぬ先の肌ケアに!

天塩にかける → 天塩にかけた美肌。

先んずれば人を制す → 先んずれば美肌を制す。

早起きは三文の徳 → 美肌ケアは、三文の徳。

枯れ木に花を咲かせましょう → 枯れ肌に花を咲かせましょう

果報は寝て待て → 美肌は寝て待て

この引用コピーのメリットは、どこかで聞いたことのある言葉を使うので、親近感がわき、覚えてもらいやすくなります。

また、ことわざ・格言なら、日本人であれば、幼いころから知っている言葉なので、誰でも通じるのもメリットです。

引用するキャッチコピーの元ネタは、何もことわざ・格言・慣用句だけではありません。
たとえば、流行語やヒット曲のフレーズ、話題の書籍タイトル、人気ドラマの名言でもいいでしょう。流行語なら、こんな感じです。(かなり古い流行語で恐縮です)

いつやるの? やるなら今でしょ! → お肌を整えるなら、今でしょ!

空前絶後の超絶孤高のピン芸人!→ 空前絶後の超絶孤高の美肌ケア!

神ってる→ その美肌ケア、神ってる!

引用するキャッチコピーは、元ネタがあれば書きやすいのですが、その反面、注意しなければならないことがあります。

上記のような流行語を使うと、すぐに廃れてしまうことです。旬なうちに使わないと陳腐な言葉となってしまいます。そうなると長く使うキャッチコピーには、普遍的なことわざ・格言・慣用句などを使った方が無難といえそうです。

キャッチコピーの作り方 ターゲットに訴えかける

次に紹介するのが、ターゲットに訴えかけるキャッチコピーです。ダイレクトレスポンス系の広告などでよく使われ、効果も期待できます。

ターゲット訴求型キャッチコピー

一つ目は、ターゲットをそのままキャッチコピーにする方法です。商品・サービス内容を語るのではなく、ストレートに呼びかけるだけで結構です。たとえば…

中小企業の経営者様へ。
名古屋市中区で働く30代サラリーマンへ。
美肌に興味のある40歳の主婦へ。
0歳から2歳児を持つ若ママへ。

この場合のポイントは、年齢、性別、役職、居住地などターゲット設定が細かくすること。経営者をターゲットとするなら、「経営者へ」ではなく、「中小企業の経営者様へ」。さらに「中小規模の工務店を経営する社長様へ」など、絞り込むのが理想です。

呼びかけ型キャッチコピー

ターゲットに対して、単純に呼びかけるだけのキャッチコピーです。この場合、ターゲットが「悩んでいる」ことを訴えるのが良いでしょう。たとえば…

慢性的な肩こりでお悩みの方へ。
毎年、夏前ダイエットに失敗している方へ。
副業をしたいけれど、副業ネタに困っている方へ。
売上を2倍にしたい方へ。

書くときのポイントは、できるだけ具体的な表現をすることです。「肩こりでお悩みの方へ」よりは、「慢性的な肩こりでお悩みの方へ」。「売上を上げたい方へ」よりは、「売上を2倍にしたい方へ」。具体的にすればするほど、イメージがわきやすくなります。

組み合わせてみる。

今回ご紹介した2つの型ですが、組み合わせて使うと効果的です。たとえば「中小企業の経営者様へ」と「売上を2倍にしたい方へ」なら、こんな感じです。

売上を2倍にしたい中小企業の経営者様へ。

呼びかける場合、「欲求 + ターゲット」にすることで、読み手を振り向かせる確率が高くなります。

キャッチコピーの作り方 関心を誘う言葉を足す

次に紹介するのが、もっと簡単かつ効果が期待できるキャッチコピーです。といってもキャッチコピーの頭に、以下の言葉を足すだけです。

ご存じでしたか? ○○○○。

あとは「ご存じでしたか?」の後に、誘客につながる言葉を組み合わせます。具体的には、こんな感じです。

(整体なら)
ご存じでしたか? しつこい腰痛に効く方法を。

(ギター教室なら)
ご存じでしたか? 
簡単にギターが弾けるコツがあるんです。(エステなら)

(エステなら)
ご存じでしたか?
毎日繰り返すことで、理想的にやせられるコツがあるのです。

たとえば、友人から「ねえねえ、○○って知ってた?」と言われたら、気になるものです。それと同様で、「ご存じでしたか?」と書かれたら、とりあえず反応してしま。それは人としての当然の反応です。それを利用したキャッチコピーです。

どうですか? これなら書けそうだと思いませんか。実はこの言葉を足しただけのキャッチコピーで、問い合わせが増えるなどの反響がありました。キャッチコピーといえば、自社の強みを伝えないといけない。もちろん、それは正当なアプローチの方法ですが、考えすぎて書けなくなります。それならご紹介したような型を利用するのも方法です。

キャッチコピーの作り方 5つの注意点

次に解説するのが、キャッチコピーを書くときの注意点です。それを意識するだけでも、キャッチコピーの精度が高まります。

[キャッチコピーを書くときの5つポイント]

ポイント1 ■言いたいことを一つに絞る。
あれも良い、これでもできる。言いたいことがいっぱいある場合、キャッチコピーにするのは困難です。仮に言葉にできたとしても、大くくりな表現になります。やはり読み手に素早く伝えるには、言いたいことは、「一つに絞る」のが大切です。

ポイント2 ■何が得られるかを書く。
商品・サービスの特徴だけ書いても興味を引きません。大切なのは、商品を使ったり、サービスを受けたことで、「どんな効果があるのか」を書きましょう。たとえば、「やさしく揉みほぐすソフト整体です」というより、「腰痛を根本から改善するソフト整体です」といった表現です。

ポイント3 ■具体的に表現する。
あいまいな表現では、見向きもされません。そこで読み手がイメージしやすいよう、具体的に表現にしましょう。そこで有効なのが「数字」を使った表現です。たとえば、「20分で効果が期待できます」「5回ほど通えば、」など、具体的な数字でメリットを伝えるのです。

ポイント4 ■「つかみフレーズ」を入れる。
キャッチコピーは、気を引かなければ意味がありません。そこで何らかインパクトのある「つかみフレーズ」が必要です。たとえば、整体院の場合。慢性的な腰痛で、整形外科や接骨院似通っていた人に向けて書くなら、「たった1回。それも20分程度で慢性的な腰痛が楽になる!」といった表現です。この中でのつかみフレーズは、「たった1回。それも20分程度」。読み手に「何それ!」と思わせ、興味を引くことができます。

ポイント5 ■わかりやすく書く。
ビジネス相手のキャッチコピーでない限り、専門用語、ビジネス用語はできるだけ使わないことです。それも読み手が業界のことを全く知らない前提で書くことを意識しましょう。

最後に

この記事ではキャッチコピーの書き方についてご紹介しました。上記以外でも、さまざまな切り口の書き方があります。その中からベースとなる考え方がわかるものと、比較的書きやすいものをチョイスして解説しました。
いずれにしろキャッチコピーは、書かないと始まりません。ご紹介した書き方の中から、「これならできそう」と思うもので結構です。それをとっかかりにして、まずはトライしてみてください。

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